電脳経済学v3> f用語集> ai2 意識  (consciousness) (→良心:conscience) (当初掲載日:2000年09月08日 )(一部補足日:2003年07月07日)(追加2.(6):2018年10月25日)

1.梗 概:
<1>意識は日常用語で心と呼ばれ、知識・感情・意志が統合された自覚作用を指す。
<2>認識し思考する心の働き。世界構成の根本原理をなす。
<3>感覚的知覚に対して内面的な精神活動。
<4>対自化された経験ないし思惟。
<5>仏教では広義の意識作用は、視・聴・嗅・味・触の五感によって知覚される五識のほかに意識・末那識(まなしき)・阿頼耶識(あらやしき)を加えて八識からなるとする。

<6>意識は量子論の文脈から捉える必要がある。

2.説 明:
(1)上記1. <1>に示す意識は知識・感情・意志からなり内的世界における心の働きを指す。意識の構造は知識によって与えられるので、両者はしばしば同義に用いられる。意識は外的世界に対応して形成され、外的世界を映しだし、その外的世界に働きかける。この意味から、あらゆる現象は自身の意識から現われ意識に収まる。人間生存の各局面において、外的世界との相互作用を通して宇宙との一体化を指向する「意識の拡大化」が見られる。これらの見解は基本的に共同主観論ないし唯識論の立場と共通 している。これが電脳経済学における意識の捉え方である。
さらに付け加えれば次のようになる。知識は内的世界のモデル構造に、感情は知識への情報の入力に、意志は知識からの情報の出力に対応し、これらの統合作用としての意識はその人の行動様式を規定する。この環境と人間を巡る「情報の流れ」は意味深長である。知識の形成は環境の内部化であり、感情は環境からの入力に、意志は環境への出力に相当する。情報はさらにエネルギー発現つまり運動や労働に形(パターン)を与え、前記の行動様式とはこれを指す。人間意識は、このように知識と環境の差異を汲み取ることによって学習を積み重ね、自身の環境をより的確に定義して行く認識主体の中核をなす。意識の拡大化はこの差異の解消過程を通して自己の解放を目指す。

(2)上記1.<2><3><4>は西洋哲学における先験的観念論の流れを汲む立場からの規定である。一方、唯物論や心理学の立場からは意識作用を脳髄の生理的活動の面から捉える。古代ギリシアに始まりすべての著名な哲学者は意識に対する考察を巡らしている。ちなみに、意識は元来ラテン語の良心を意味するが、デカルトは懐疑を介して思惟の含意を与え、思惟する確実なものとしての「自我の存在」を確認した。この文脈から、意識は良心による善悪判断を基準に形成される。ここで注目すべきは、統一的かつ根源的な自己意識が外的世界における善悪判断を基準に形成される点である。いずれにしろ、意識を巡る論議に客観性・論理性のある結論を見出すことは出来ない。なぜなら、意識は状況適応的な発達過程を通して各個人固有に形成されるので、各自が所与の知見に照らして主体的に規定する外ない。

(5)上記1. <5>に示すように、仏教では意識を五識と末那識・阿頼耶識のインターフェイスとして捉えている。末那識とは煩悩が整理されていないドロドロした精神状態を指し、阿頼耶識とはさらなる深層部の無意識を意味する。つまり、意識は外的物質世界と内的精神世界を結ぶ位置を占めるとともに内的世界はその深奥部において潜在的無意識として万人万物の共通意識に繋がっている。この意識構造は、しばしば海に浮かぶ島として例えられる。
仏教ではまた人間を形成要素にしたがって「父母所成」「飲食所成」「意識所成」に区分する。これはそれぞれハードウエア、維持管理、ソフトウエアに相当する。さらに述べれば、それぞれ物質循環、エネルギー代謝、情報蓄積(「物理要素の働き」と呼ぶ。)に対応している。つまり、意識は情報との不即不離の対応関係のもとに捉えるべきである。

(6)量子力学意識の関係は「観測問題」として提示される。本サイトでもm-p観測問題との絡みから(itm内部観測に力点を置いて)「ai2意識」について触れている。。因みに、下記3.(1)では引き寄せの法則との関連から意識を取り上げている。(追加:2018/10/25

3.参考資料:
(1) YouTube 量子力学が引き寄せの法則の効果を証明した!… (追加:2018/10/25