電脳経済学v8> f用語集> pw 権力 (power)  
(当初作成 : 2018/10/07) (一部追加修正 : 2019/07/21)

1.梗 概:
(1)権力とは他人を支配し服従させる力を指す。日常用語故に特に説明を要しないけど、反権力との絡みから次に参考例を挙げて所見を開陳する。
(2)権力は、社会のあらゆる場面で成立する力の関係性を意味する。その中でも、特に国家や政府などが持つ国民に対する強制力を指す。
(3)権力の概念は17世紀における力学の発展を背景に生まれ、原義は共にpowerである。
(4)強制力を伴う権力が正当性を保持するには権威による裏付け並びに被権力側の同意を要する。
(5)権力の研究に端緒を開いたN・マキァヴェッリ (1469-1527)は、統治に不可欠な要素は軍備と法律であるとした。
(6)その後マックス・ウェーバー (1864-1920)は、権力を自己の意志を強要する可能性と定義した。
(7)権力に対抗する勢力を便宜的に反権力と呼ぶ。左翼系がその例である。反対勢力であるから方向は丸反対ながら権力志向などの性格面では類似している。
(8)一方、民主主義の立場からは権力vs反権力の構図は原理的に成立しない。つまり、権力は選挙などを通して国民からの自発的な同意と服従を獲得している。
(9)権力vs非権力の関係は、分かり易く示せば政治家vs国民の構図で、権力vs反権力の関係と峻別を要する。
(10)権力者と被権力者の間の関係で成立するという立場を権力の関係概念という。この立場に立てば,物理的手段や金などは権力そのものではない。権力の具体的測定には,決定においてだれが影響力を持つかを測る決定分析などが一般的に使われてきた。(下記3.(3) 参照)
(11)ここでqut量子論の援用へと飛躍する。関心のある方は次項を参照されたい。

2.論点説明:
(1)権力vs非権力の関係をqut量子論の文脈から説明する試みは率直に言って困難な作業である、にも拘らずこの機会に敢えて踏み込んでみる。
(2)ここで観測問題が鍵概念となり、これを次の二つの側面から捉える
m-p観測問題 2.(1)参照) その1は秩序と混沌(混乱でもよい。)の混在を存在確率で表す考え方で、その2は個人の内部意識は量子脳の働きによるとする立場である
(3)前記その1は民主主義に至り、その2は東洋思想(自然回帰の絶対視に代表される)に通じる。つまり、wu無為自然となり”現実を在りのままに認める態度”となる。
(4)それでは社会の進歩や発展はどうなるのか? 歴史や真理の本質を何に求めるのか? その解答はfocフーコー2.から読み解いて頂きたい。
(5)この辺りはM・フーコーA・N・チョムスキーの思想と通底する。

3.参考資料:
(1) 権力 (Wikipedia)
(2) 権力 (Google検索)
(3) コトバンク 権力
(4) 『権力の読み方−状況と理論−』 萱野 稔人 青土社 2007年7月
(5) 『権力論』 杉田 敦 岩波書店 現代岩波文庫 2015/11/17