電脳経済学v8> f用語集> qut 量子論(Quantum theory)(v8) ath無神論(⇒bdt身体論)
(当初作成:2016/01/26) (一部追加 5.+6. (4)-3:2018/01/03)(一部追加 5.(5):2018/02/14)(一部追加 5.(3)-3:2018/03/08)(一部削除 6.(5) YouTubeにより削除されたサイト:2019/10/18)

1.はじめに:
妄挙と承知しながらもte哲学と数学でこの世界が説明出来ないかと永い間考え続けてきた。その結果として”量子論なら”との暫定結論に至った。関係する専門用語の予備知識や文脈整理は割愛して、その粗筋を示せば次のようになる。なお、量子力学と量子論の違いに関して前者は数学/理系寄り、後者は哲学/文系寄りながら”ほぼ同義”と筆者は理解している。

2.虚数から出発する:
数学基礎論/自然数論はwitウィトゲンシュタイン/ゲーデルに譲るとして、先ずimn虚数から出発する。imn虚数(1)-(6)は数学領域故に、ここでの量子論は(7)-(8)の追加説明に相当する。なお私見だが、虚数の捉え方・教え方は量子論の文脈から再考の余地がある。

3.量子力学の要点:
(1)天文学から脳科学へ:

科学史/e40文明史の文脈を辿ると人間主観の向う対象は遠くから近くへと接近してきた。これは端的にcsm宇宙原理からap人間原理へといえる。結論的に、dtデカルトの「我」はその後の知見(「観測者」「自己同一性」…)を踏まえると仏教でいう「無我」となる。人間は所詮部分知故に両者の中間での妥協如何にかかり、人はこれを人生問題/人生観と呼ぶ。つまり世界観の裏返しが人生観になる。
(2)物質が常識の基準となる:
私達の常識は原子より大きい物質世界を対象とする。これはマクロ/巨視的と呼ばれる。この物理的枠組みはニュートンにより定式化され古典力学と呼ばれる。一方、原子より小さい世界はその後素粒子物理学として展開されている。これはミクロ/微視的と呼ばれる。量子力学は前者から後者への移行領域における理論面を取り扱う。短くいえば、現前の見える(マクロ)世界は見えない(ミクロ)世界の現れであり、これは意識と無意識あるいは「結果と原因の関係」に相当する。(なお、量子力学が理論面を取り扱うとは当然ながら実験で検証された理論を指し空理空論や理念ではないという意味である。(追加: 2016/09/04)
(3)量子力学はなぜ難解なのか:
その理由の筆頭は粒子性と波動性の相補性(二重性とも相反性ともいう)であろう。これは量子力学の基本概念でボーアにより提唱された。一方、ハイゼンベルグ不確定性原理として異なる表現で示した。物質を細分化すると粒子になる。粒子をさらに細分化すると波動になる。つまり極微体の粒子は波動となりこれを物質波という。逆数的にいえば、粒子の数が増えるにつれて波動の性質が顕著になる。東洋でいう””が量子に相当する気がするけど、如何だろうか?
(4)自由とは認識の自由を指す:
常識/世界観は各自の経験に基づく認識の社会的集合体を指す。人間は感覚や理性の内側でしか認識できない。つまり外側は想像する外ない。kntカントはこの外側を「物自体」とか「超越論的」と呼んだ。この指摘は「意識の拡大」との絡みから意味深長である。例を挙げれば「因果関係」は理解できても「観測問題」や「瞬間移動」等は理解できない。量子力学自体がSF的なのだ。量子論はさらに告げる、人々の意識が「物」から「事」に移れば世界はもっと平和になる、と。

4.量子時代はすでに始まっている:
(1) これらは未来展望ではない。量子コンピュータ、量子暗号、量子論理、量子情報、量子脳理論は既に開発や試作の段階にあり実用化は射程圏内にある。しかしこれらは専門家に任せておけばよい。
(2) 私達は量子論の全貌を知る必要はない。しかし、ピンピンコロリ(PPK)で終末を迎えたいと願う末期高齢者(とその予備群)にとって認知症は避ける必要がある。そこで量子論を身近に引き寄せて量子脳理論をかじってみてはどうだろう。驚嘆すべきは量子脳がetc倫理体現の結末に符合する点だ。訝しければke4見当識の最末尾行にある「脳内GPS」をご参照あれ。
(3) さらなる詳細はbdt身体論に続く。さらなる根拠はimn虚数を参照。

5.量子論の結論は自己決定となる:(追加 (3)-2: 2018/01/03) (追加 (5): 2018/02/14)
(1) ファインマンの指摘の通り、量子論/量子力学には解釈問題が伴う。観測問題から導出した筆者なりの結論は自己決定(自分で決めてよい)となる。具体的には、荘子思想の基本をなす「無為自然」として表現される。
(2) 無為自然は有為自然の対義語で、両者の妥協として運命自然の用語もある。それでは共通する自然とは何を指すのか。そもそも、行為の動機が問われ、その根源は遡れば意識にある。意識は観測に由来するという次第である。
(3) 量子論の結論は”因果関係が成立しない点”(量子力学の「非因果性」)に絞り得よう。詳細は下記6.(4); 6.(4)-3に分かり易く説明されている。換言すれば空間や時間が消えて主体のみとなる。この三者関係についてはspt時空に示す通りである。つまり、各種前提実在が問い直しを迫られている。
(3)-2 量子力学を巡る解釈問題特に非因果性に関して私見を追加する。自明とされる私達の常識は古典力学が根拠となっている。imn虚数に詳述の通り、実数と異なり虚数や複素数には順序関係も大小関係もない。つまり因果関係は時間の順序を前提に成立するので量子力学から数々の「不可解な現実」が導かれると考える。このことに関しては下記6.(3) に順序関係や大小関係と共に詳しく説明されている。(追加: 2018/01/13)
(3)-3 量子論に関しては、非因果性に加えて「非局所性」についても触れる必要がある。両者は説明方法が違うだけで内容は同じ。量子力学の対象は局所性(粒子性)と非局所性(波動性)を有し、これは「相補性」と呼ばれる。(上記3.(3)参照) 粒子性は既存常識の世界であり、一方の波動性は量子力学の世界である。表現を変えれば時空/速度を日常感覚で捉えるか光速以上で捉えるかの違いで、これの更なる説明はspt時空に示す。なおEPR相関も同じ文脈である。(下記6.(2)-7: 6.(2)-8参照) (追加: 2018/03/08)
(4) これ以上の説明は読み手・書き手双方にとり時間の無駄故に、この辺で締めたいので悪しからず。
(5) 上記(4)は投げやり的なので補完の意味も込めて次の通り少し追加する。繰り返しになるけど量子論には普遍的な答えがない。ここから各自の解釈問題が発生し、見出しの自己決定はこれを指す。筆者なりの量子論の解釈は短く次のようになる。量子論は粒子と波動の相補性(二重性)により特徴づけられる、とされる。ところで、粒子性と波動性はあらゆる物体に普遍的に存在する。この立場はse摂動論に表現されている。短く言えば、マクロは粒子性がミクロは波動性が顕著である。人体がマクロならミクロは観測できない。これがm-p観測問題である。時間や因果律はマクロ世界の概念故にミクロ世界には存在せず、ここでは同時性/瞬時性の世界のみが出現する。つまり速度とか価値の概念や人間の生死なども存在しない。ところが、それは社会常識や民主主義の原則に反するので誰も同意しない。それでは結局どうするのかと問われれば何もしないとなる。これがwu無為自然の立場となる。無為自然は現実世界では貫徹不可能なので有為自然となり最終的に運命自然となる。これを仏教ではと呼ぶ。この縁とは関係性を指す。それなら最初からそういえばとなる。説明する側も理解しようとする側もくたびれるけど「学問に王道なし」としてこの場は逃げよう。(追加: 2018/02/14)

6.参考資料:imn虚数4.から抜粋)
(1) 朝日おとなの学びなおし![物理学] 『宇宙・物質のはじまりがわかる量子力学』 広瀬 立成 朝日新聞出版
(1)-2 Newton別冊 『量子論』増補第4版 ニュートンプレス (2018/06/12)
(1)-3 Weblio辞書 量子力学 (2018/06/13)
(2) 『量子力学入門-現代科学のミステリー-』 並木 美喜雄 岩波新書 210 
(2)-2 『量子力学の哲学』 非実在性・非局所性・粒子と波の二重性 森田 邦久 講談社現代新書 2122  (追加: 2016/01/31)
(2)-3 『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』人間原理と宇宙論 青木 薫 講談社現代新書 2219
(2)-4 みすず書房 『不完全性・非局所性・実在主義』 量子力学の哲学序説 [訳者]石垣 壽郎 (追加: 2018/01/03)
(2)-5 量子力学における科学と哲学 北島 雄一郎 (追加: 2016/03/11)
(2)-6
KAKEN 西田哲学の科学論的考察 野家 啓一 (追加: 2018/01/15)
(2)-7 物理教育 第46巻:Ⅷ.量子論的自然観 菅野 礼司 (pdf) (追加: 2018/03/08)
(2)-8 量子の非局所性の厳密検証に成功 古澤 明 (追加: 2018/03/08)
(2)-9 「量子力学における観測問題」pdf 並木 美喜雄 J-STAGE (追加: 2018/05/19)
(3) 虚数は私たちの世界観を変えてしまった。とね日記
(3)-2 ヒルベルト空間 谷村 省吾 (追加: 2016/05/22)
(3)-3 gooブログ:西洋哲学は2回のパラダイムシフトを経て、東洋に帰結する!? 「量子力学」 goo Weblog/2007-07-06 (追加: 2018/10/31)
(4) 量子力学■Q&A■ 「量子力学」を一言で説明すると 30分で分かる 量子力学の世界 Creative Brains
(4)-2 dmoz:world:Japanese:科学:自然科学:物理学:量子力学

(4)-3 量子力学の概念的基礎 科学と技術の諸相 吉田 伸夫 (追加: 2018/01/03)
(4)-4 『量子論はなぜわかりにくいのか』 吉田 伸夫 技術評論社 (追加: 2018/10/21)
(4)-5 『量子力学が描く希望の世界』 佐藤 文隆 青土社 (追加: 2018/10/21)
(5) YouTube 死後の世界を量子論で科学する スチュワート・ハメロフ.mp4(参照: spt 時空 5.(12))

(5)-2 YouTube 量子力学と生命の謎 2016/12/11 エハン塾 (追加: 2018/02/19)
(5)-3 YouTube 【大学物理】 量子力学入門 ①(量子の特徴)【量子力学】 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」 (2018/06/06)
(5)-4 YouTube 【大学物理】 量子力学入門 ②(シュレディンガー方程式)【量子力学】 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」 (2018/06/07)

(5)-5 YouTube 【挑戦】10分で分かるシュレディンガーの猫 Next Space Project (2019/04/09)