電脳経済学v8> f用語集> ath 無神論 (Atheism) (v8) (⇔bdt身体論)(⇔qut 量子論
(当初作成:2017/11/20)(一部追加 6.:2017/11/26)(一部追加 3.:2017/11/29)(一部追加 7.(10):2018/01/17)

1.世界宗教:
(1) キリスト教、イスラム教並びに仏教は世界三大宗教と呼ばれる。
(2) 世界宗教の対義語は民族宗教であるけど、両者は判然と区分出来ない。
(3) 何故なら、ヒンズー教やユダヤ教更には道教や民間信仰などとも連続的な関係にあるからだ。
(4) こうして、宗教自体が思想や信念と区分出来なくなる。
(5) 宗教一覧にも示されるように宗教の数は人間の数になってしまう。(shu宗教1.定義困難性を参照)
(6) 本サイトでいう一人一世界あるいはslp独我論は前記(5)と文脈を同じくする。

2.神の定義:
(1) shu宗教は超越的絶対者としてのの定義により始まる。
(2) つまり唯一絶対の神を戴けば一神教となりこれを否定すれば無神教となる。
(3) したがって宗教は自然数的に無神教、一神教、多神教となる。多神教は汎神教とも呼ばれ、つまりは前記1.(6)となる。
(4) ここで無神教と無宗教は峻別を要する。なお無神論は無神教に対する論及を指す。
(5) 仏教は無神教に区分される。なお日本の宗教神道仏教が混淆し再構成された「神仏習合」が多数を占める。
(6) 仏教が無神教とされる理由は仏教はka3科学であるとする立場による。
(7) 何故なら、仏教はその普遍性や必然性が自分自身に向けられるからだ。(下記3.(4)身体論との絡みに着目)

3.神の定義(その2):(2017/11/29)
(1) 宗教(religion)の語源は日本語の場合は仏教に英語の場合はキリスト教に由来する。宗教の用語は幕末におけるキリスト教の訳語がそのまま定着したとされ、ちなみにreligionは再結合を意味する。
(2) 「神は存在しない」とする無神論(atheism)に対して「神は存在する」とする有神論(theism)がある。
(3) 更に加えて理神論(deism)汎神論(panthesim)などもある。 理神論はc20アダム・スミス、汎神論はe24梵我一如でも触れている。蛇足ながら外国人は日本人に比較して宗教的態度や思想信条が鮮明なので問われて答えないと誤解される。

4.無神論と量子論との関係:
(1) 古来、shu宗教ka3科学は対立的関係から捉えられて来た。
(2) ところが、量子論の進展に伴い内的世界(ap人間原理と同義)と外的世界(e24梵我一如でいう宇宙原理と同義)の統一的な把握が要請されてきた。
(3) これを量子力学の哲学或いは量子哲学と呼ぶ人もいるけど、まだ学問的体系化には至らない。
(4) 筆者の提案は両者の間にbdt身体論を介在させ、qut量子論bdt身体論ath無神論とする。
(5) ここで身体論とは自分自身の健康を意味し、具体的にはhmsホメオスタシス(生体恒常性)の維持を指す。(これは動的平衡でもよい詳細は:下記7.(10)並びにqut量子論を参照)
(6) 蛇足ながら、「神は死んだ」で知られるニーチェは仏教を好意的に衛生学とした。(出所:下記7.(2)
(7) ここでの無神論はzhu荘子wu無為自然に相当する。並べて人間は作為が過ぎる。

5.仏教と量子論との関係:
(1) 無神論では神の設定がないので、仏教も無神論に含まれる。
(2) その前に、仏教なり仏についてザックリと明確化すると。
(3) 仏教の基本思想は原始仏教にある「諸法非我」に集約される。(つまり、全存在は相互関係(仏教では縁起)により成立する。これの量子力学的表現がハイゼンベルグ描像としての行列力学だと思うけど。) 仏の字面は人に非ずを表し、人格完成者或いは理想的な人間像を意味する。そこから悟りを得た者として仏陀や釈迦を指す。温厚な人や死者にも譬えていう。
(4) その認識が「観測問題」となる。前記4.(2)に示す「内的世界」とはこれを指す。

6.仏教と量子論との関係(その2):(2017/11/26)
(1) 仏教は「」の一字に収斂する。空とは有無を併せ備えた概念で一般常識では理解困難である。生死の併存は可能だろうか?病気がその状態を指すのでは?(なお、一般常識とは「古典論理(標準論理)」に基づく推論体系を指す。非古典論理量子論理の関係は割愛。) ちなみに「空」は前項5.(3)にある「諸法非我」とほぼ同義で仏教における鍵概念である。
(2) 量子力学も論点は同じである。0と1は整数で不連続であり、それ故に2進法や電子コンピュータが成立する。(数に関してはimn虚数を参照:量子力学は複素数の世界に相当する。) 一方、量子コンピュータでは両者を確率で表しその和を1(=100%)とする。1と0が有無や生死と対応関係にある。
(3) つまり1と0が同時に成立し得るか否かである。状態確率の重ね合わせ概念(例えば病状や気象など)を導入すれば分かり易い。
(4) 量子力学の比喩として広く知られるシュレーディンガーの猫暗箱(Black box)中の猫が「半生半死」状態だと告げる。(揶揄的に私達は暗箱中の猫状態となる。)
(5) こうして一般常識の方が固定観念だと気付けば、この項は卒業となり、爾後快適な人生が送れる筈である。
(6) 付け加えれば、禅問答は公案とも呼ばれ結果的に量子論に類似した捻り思考形式であり脳トレには向いている。

.参考資料:
(1) 宗教 (Wikipedia)
(2) 無神論 (Wikipedia) 
(3) 身体論 (Wikipedia)
(4) 量子力学 (Wikipedia)
(5) 『外的世界と内的世界』 湯川 秀樹 岩波書店 1976/12/20
(6) 量子論と仏教の話。これは分かり易い!…IDOLA 2015/12/3
(7) facebook 量子物理学と原始仏教 吉野 周治 2014.3.29
(8) 量子論と仏教 後藤 蔚
(9) 量子力学と仏教哲学 田島 鉄也 2014.8.28
(10) 『福岡伸一、西田哲学を読む』 生命をめぐる思索の旅 池田 善昭、福岡 伸一 明石書店 (追加:2018/01/17)