電脳経済学v8> f用語集> pcs ポストコロナ社会 (Post Corona Society) prv摂理)(hlt健康) (当初作成:2020/05/26) (追加:2020/06/06) (追加:2020/11/14) (追加3.(6):2021/09/09)

1.梗 概:
(1)ポストコロナ社会の用語にはポストコロナ時代、アフターコロナ社会、Withコロナ時代、ニューノーマル(新しい日常)(新常態)、新しい生活様式、等幾つかの類語があるけど、ここではポストコロナ社会を用いる。
(2)新型コロナウイルス感染症によるパンデミック何らかの形でいずれ収束するであろうけど、その後の社会を再構築するには新型コロナウイルス自体の総括が求められる。
(3)先ず医学では疫学医療を有機的に結びつける。これは体外と体内の関係とも言え、コロナウイルス感染症をイメージすれば分かり易い。体内ではプレシジョン・メディシン(精密医療)を巡る考え方の導入である。(hlt健康2.(8)参照) これはe24梵我一如の最終形態に相当し、hlt健康哲学はこれの各人局面を指す。
(4)新型コロナウイルス感染症の流行と共にソーシャルディスタンス(社会的距離)の言葉を耳にする。これは社会距離拡大戦略(Social Distancing)の簡略表現で、三密の用語も趣旨は同じある。
(5)大都市に代表されるように、現代社会は須く密集状態にある。これはprv摂理 1.(6)でも述べている通り人口圧力の結果である。この確認なしに先には進めない。
(6)資本主義は土地と人口を本源的生産要素として成立する。因みにshi2資本は両者から「生産された生産要素」である。(c60生産要素shi3資本理論の展開過程を参照) 土地は有限であるにも拘らず人口は無限に増え続けている。これは人間至上主義(人間中心主義とも言う)の帰結であり、早晩破綻することは自明である。
(6)-2 地球上の生産可能な土地面積とある時点での世界人口との割合から地球環境の持続可能性を表す指標としてef2エコロジカル・フットプリント或いはcfカーボン・フットプリントの考え方がある。同様に国連採択になる行動指針として持続可能な開発目標(SDGs)もある。ところが、これらは確固たる人間至上主義(人間中心主義とも言う)に基づく信念体系のOutcomesである。 (追加:2020/06/04)
(7)これまで
破局(Catastrophe)は災害、飢餓、疫病、戦争等に起因とするされて来た。ところが、現下の新型コロナウイルス感染症の様相はこれらと異なる。無症状感染者による感染拡散やサイトカインストームによる突発的死亡等に見られる因果関係の不明確性故に対応が困難を極めている。感染の全体像が掴めないし免疫や基礎疾患との関係も今一つはっきりしない。この先、変異型ウイルスによる第二派・第三派への対応策やテレワークのみで社会生活が成り立つのかと言った不安は尽きない。
(8)結局は試行錯誤の外なく、この過程で淘汰が働くであろう。淘汰とは環境に適合した生物のみが生き残るとする生物学用語であるけど、環境も適合も曖昧語である。(淘汰の詳細はprv摂理1.(5)、(5)-2参照)
(9)そこで人工知能(AI)が解決してくれると考える。しかし残念なことにこれらは過去のデータに依存している。歴史由来が通用しないから今日の事態を招いている訳だ。
(10)そろそろ結論を急ごう。人類は動物学上の学名では「ホモ・サピエンス」と呼ばれる。これは〈知性人〉を意味し、近代における人間観の表現法ともなっている。数多くの人間規定の表現法が提唱されている。曰く、ホモ・エコノミクス〈経済人〉、ホモ・ファーベル〈工作人、創造人〉、ホモ・ペチエンス〈苦悩人〉、ホモ・ルーデンス〈遊戯人〉、ホモ・リリジアス〈宗教人〉など。しかし、これらは人間のもつ特定の側面にすぎないとの反省から、ホモ・トータリス〈全体的人間〉といういい方もされる。(g自分学 2-2-2人間から引用) 
(11)今日的なホモ・トータリス〈全体的人間〉はユヴァル・ノア・ハラリの言う「ホモ・デウス〈神人〉」であろう。
(12)如何でしたか? 人間の未来は神か家畜かとする設定である。本サイトでは両者の選択を淘汰と呼ぶ。爾後は読者の選択に任せたい、これが結論となる。

2.補完と考察:(追加:2020/05/30)
(1)世界中がワクチンの開発を心待ちしている。通常5年かかるとされる開発期間を18か月に短縮すべく急がれている。ワクチンは性格的に獲得免疫に相当する。しかし、留意すべきは、免疫機序には未解明な点も多く、ワクチンにも危険を伴う点である。
(2)新型コロナウイスの顕著な特性は上記1.(7)にある「無症状感染者による感染拡散」である。感染してから発症するまでの潜伏期間が永い場合と検査結果の如何に拘らず症状がない場合がある。
(3)同様に上記1.(7)にある「変異型ウイルスによる第二派・第三派」に対する危惧である。ウイルスが世界中に拡散しその過程で変異する一方で免疫機序や各人毎の免疫程度が未解明であれば、これに対応する方法がソーシャルディスタンスしか無い現実は頷ける。逆に言えば、ソーシャルディスタンスを受け入れた社会をどのように構想するかである。
(4)次は上記1.(8)に示す淘汰作用を巡る描像である。より具体的には『必要性程度』が淘汰/選択の尺度となろう。人間が人間を制御出来ないなら自然に因る制御以外ないだろう。
(5)上記1.(11)の中で、ハラリはその未来予測について、これは「あくまで私の予測。この予測はハズれてほしい。」と述べている。不肖筆者はne自然観を開示しただけであり、当事者の選択領域にまで立ち入り出来ない。
(6)ここで鍵概念である『淘汰』について再確認する。先ず淘汰と選択(進化)は表裏一体であり対概念をなす点が肝要である。次に進化とは生物個体や形質の割合が世代を経るにつれて増加する現象を指す。平たく言えば生物の個体数や形質は環境に適合すれば集団内で優越するし、逆の場合は衰退する。これらは人間の意志に依らないので通常は「淘汰される」と受動形で用いられ「淘汰する」とは言わない
本論ではこれら存在理由を一般化して「必要性程度に応じて」と解釈する。更に言えばこの必要性程度は人間が決めるのではなく生物の相互依存関係から定まる。prv 摂理1.(4)(5)(5)-2参照)

3.参考資料:
(1YouTube 【9分で解説】ホモデウス【衝撃の未来】神になる人類と家畜になる人類 サラタメさん 2019/08/24  YouTube ユヴァル・ノア・ハラリ自身が語る最新作『21 Lessons』 2019/11/12 
(2)ウィズアウトコロナへ 〜経済を動かし日常を取り戻すために 【新型コロナと闘う その先の世界へ 児玉龍彦×金子勝】20201013 (追加:2020/11/14)
(3)YouTube 落合陽一「世界史から読み解くアフターコロナ」 (期間限定ロングダイジェスト)2020/05/15
(4)YouTube 【超入門】コロナに負けない「免疫」の基礎 NewsPicks 2020/04/17 (追加:2020/05/27)
(5)『コロナ後の世界を生きる』―私たちの提言 村上 陽一郎編 岩波新書1840 (追加:2020/07/29)
(6)『ポストコロナ社会』 Wikipedia (追加:2021/09/09)