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C10−1:経済学のゼミでマネタリストvsケインジアンについて討議している学生です。両者の違いや対立点について、なるべく簡単に説明して頂けないでしょうか。


R10−1:裁量的な経済政策の是非を巡るマネタリストとケインジアンの対立的立場についてのご質問ですが、電脳経済学では両者をどう捉えているかについてお答え致しますので参考にして下さい。なお電脳経済学の提案は両者の対立以前の領域に属する点は最初にお含み置き下さい。

先ず図c30市場経済の仕組みについては両者ともに共通認識に立っています。 次に図c35ケインズ理論の基本構造を念頭に置いたうえで考察を加えます。図c35において矢印の方向は時計廻りとなっています。これは図c30に赤線で示す時計廻りの方向つまり貨幣の流れに対応しています。マネタリストは図c35に示す「流動性選好」近傍のルートを通して経済過程をコントロールする立場をとります。一方、ケインジアンは同図の「財政金融政策」近傍のルートを通して経済過程をコントロールする立場をとります。

繰り返しになりますが電脳経済学の立場は次のようになります。電脳経済学では図c30市場経済の仕組み閉鎖系2部門モデルと捉えて、これを図d10代謝モデルに示す開放系3部門モデルに拡張します。こうして環境問題に共通の取り組みが可能になり、家事労働(シャドウワーク)に位置付けができ、経済系の最終目的が文化の向上にあることなどが明示化されます。経済構造は経済の進展に応じてケインジアンからマネタリストへと重点が移行すると考えます。金融部門が重みを増していく状況は昨今の日本経済の推移に照らして明らかであります。電脳経済学では財を可塑性によって区分し経済が進展すれば可塑性の重みが増すとします。可塑化の進展とは平たくいえば経済の中心が現物生産からサービス業へと移行する事実を指します。貨幣や金融の占める重みが増せば結果的にサービス業のグローバル化が進行します。このことはa42論文集 3 開発と環境の両立可能性を求めて図5可塑性モデルに図示しています。なおインフレーションやIS、LM 曲線に関しては基本的に近代経済学の考え方を踏襲しています。つまり、既述の通り経済の進展に応じて経済財の不均衡状態は早晩解消されて行きます。その過程ですべての市場機構はその重要性を増します。電脳経済学の眼目はあくまで代謝モデルの提案にあり市場経済モデルの援用は便宜的に両者を対比するためです。