電脳経済学v3> e社会系> e30 歴史を辿る
(一部修正日:2000年
10月17日) (最終更新日:2004年07月16日)


表e30 歴史を辿る

区分

年 数 (参考値)

出 来 事

(14)

 現代〜200年前  近代文明(市民革命、産業革命の進展)

(13)

 2000〜5000年前  古代文明(農業革命、歴史時代の始まり)

(12)

 7000〜1万年前  中石器時代(言語の獲得、先史時代の終わり)

(11)

 1万年〜4万年前  新人の誕生

(10)

 40〜100万年前  原人・旧人類の発生(火や道具の利用)

(9)

 200〜400万年前  猿人類の発生(直立歩行の開始)

(8)

  500〜800万年前

 ヒトの発生(猿類との分離)

(7)

 1000万年前  猿類の発生

(6)

 1億年前  哺乳類の発生

(5)

 5億年前  生物の発生

(4)

 35億年前  生命の発生

(3)

 45億年前  地球の誕生
(2)  100億年前  原子の形成

(1)

 137億年前  宇宙の開闢(ビッグバーン=情報ビッグバーン
 

e30-1 3000年続いた農業時代に何を学ぶか
表e30
歴史を辿るに示す年代をさかのぼり、想像も出来ない位遠い昔から連綿と続く自然や生命の歴史を顧みるとき万物に対する畏敬の念を新たにします。この文脈において人間の経済行為が自然の摂理から乖離していないか折に触れて問い直す作業は意義深いと思われます。
ここで注目すべきは、産業革命から約200年余りにして人類は工業化の進展に伴う環境問題に直面していますが、それに先立つ農業革命の時代が3000年以上も続いた事実です。それは農業が図b42食物連鎖過程に示す物質循環の完結に則して営まれたからです。農業はこの「元に戻す」愚直な作業を3000年間続けましたが工業は安直な外部化によって200年で行詰まりました。e10経済問題群に提示している農業問題は社会制度に由来する経済問題であり、産業としての農業は自然の摂理に叶っていました。この事実を再評価して産業社会のあり方を「農業の工業化」から「工業の農業化」へと転換する必要があります。 なお農業化とは生命原理に即したという意味です。

e30-2 人類の誕生と経済要素の出現順序
ここで人類について蛇足を付け加えます。人類の祖先は地球上における生物進化の過程で出現しました。それはおおよそ400万年前頃とされる猿人の誕生にさかのぼります。人類は生物学的な分類では霊長目ヒト科に属し、その特徴として@二足で歩行するA道具を使用するB火を管理できるC労働により生活を獲得しているD言語に基づく文化をもつE自己や宇宙を認識できる、などを挙げることができます。人類について研究する学問分野は人類学で、これは自然人類学と文化人類学に区分され ます。前者を人類学、後者を民俗学とする場合もありますが、これらはあくまで便宜的な区分です。 人間の本質ないし社会性を重視する哲学的立場からは人間学あるいは人間科学と呼ばれる場合もありますが、人類学も人間学も原語に戻ればanthropologyとなり同じです。
表e30歴史を辿るを経済要素の出現順序に対応させて図示すれば図e32経済社会の進展過程のようになります。表e30並びに図e32は経済系の位置づけが自然史・人類史・文明史の文脈において再整理されるべきとの姿勢に基づくものです。