電脳経済学v3> e社会系> e32 経済社会の進展過程
(当初作成:
1997年06月25日)(一部追加:2004年04月03日)(一部改訂:2005年05月07日)

1 古代:

自然状態
の時代

物質の創成

生命の発生

人類の誕生

消費の出現

(1) 物質の創成

(2) 生命の発生

(3) 人類の誕生

(4) 消費の出現

2 中世:

農業中心
の時代

自然採取の時代

加工技術の習得

農業中心の時代

(5) 自然採取の時代

(6) 加工技術の習得

(7) 農業中心の時代

3 近代:

工業中心
の時代

工業中心の時代

現代経済の仕組み

(8)工業中心の時代 K貨幣

(9)現行経済の仕組み

4 現代:
情報中心
の時代
代謝モデル (L廃物; M分解)
(10)情報中心の時代

図e32 経済社会の進展過程


図e32経済社会の進展過程から次のことがいえます。

1 古代:自然状態の時代
(1)物質の創成:ここでいう自然は宇宙と同義である。
(2)生命の発生:生命は自然の一部である。
(3)人類の誕生:人間は生命の一部である。したがって人間も基本的に自然の一部である。ただし人間は大脳新皮質によって「文化」を創り上げてきた。
(4)消費の出現:「消費」は人間が手から口への生活を始めた時点で始まった。消費には労働に至る単純再生産経路と文化に至る情報蓄積経路がある。
2 中世:農業中心の時代
(5)自然採取の時代:「労働」は消費とともに自然と人間を媒介する。労働は人間に固有な生活様式であり、労働を抜きに人間は生存を確保できない。
(6)加工技術の習得:「生産」は自然の働きの一部であり、かつ人間は労働と生産の応答関係を学習した。
(7)農業中心の時代:「資本」は生産された生産手段として自然と労働を媒介する。資本との絡みにおいて「社会」が編成された。
3 近代:工業中心の時代
(8)工業中心の時代:販売を目的とする生産物としての「商品」が出現した。「資源」は自然の一部であり人間による所有には馴染まない。「国家」が社会のプラットフォームとして再編成され、さらに「商品」との「交換」を目的とする「貨幣」が経済の中心的な役割りを担う。
(9)現行経済の仕組み:生産と消費からなる「2部門閉鎖系による現行経済の仕組み」が完成した。一方で環境問題に代表される各種社会経済問題が深刻化してきた。
4 現代:情報中心の時代
(10)情報中心の時代:生産と消費に「分解」を加えた「3部門開放系による代謝モデル」を本HPで提案している。ここに分解とは「廃物」を資源化する部門を指す。3部門開放系代謝モデルはDB/GISに支援された協議経済体制として現実化されよう。

現代は工業化時代から次なる情報化時代への移行期に相当します。ここで注意すべきは、経済社会は自然+農業+工業+情報と累積的に進展するのであって情報が工業や農業に取って代わる訳ではない点です。この文脈において自然や農業の存在は従来にも増して意味深長であり、これが将に温故知新であります。
電脳経済学では情報を物理要素の文脈からと一般的な情報概念の双方から捉えています。ここに情報概念の要諦は人間の意識構造をより広い現実に対応させることにあり、これを意識拡大化と呼んでいます。図e32を経済要素の文脈から展開すれば経済要素の展開のようになり、さらに文明史の視座から表現すれば文明史年表のようになります