電脳経済学v7> f用語集> cho 胡蝶の夢 (v8) (⇒zhu荘子 ⇒cha渾沌 ⇒imn虚数
(当初作成:2010/10/05)(一部追加:2010/10/08 :2011/02/08 :2011/03/04 :2011/05/07 :2011/07/22 :2014/07/06 :5.(2)-2015/05/22 :1.(1)-2015/05/30)(zhu荘子を分離して改訂:2015/06/05 :2015/06/07 :2015/06/12)
(一部修正:2023/03/07)

1.梗 概
(1)「胡蝶の夢」とは、昔、荘周が夢の中で蝶になって楽しみ自分と蝶との区別を忘れたという故事に因み自分と他との区別を忘れた境地を指す。出所は『荘子』 内篇 第二 斉物論篇 12節で、時に蝶夢とも言う。
(2)転じて夢をいう。ここから人生のはかなさにも譬えられる。しかし、はかなさの意味ではむしろ邯鄲の夢/盧生の夢あるいは黄粱一炊の夢の方が適切である。
(3)胡蝶の夢は『荘子』を代表する寓言であるのでzhu荘子との併読をお奨めしたい。

2.内容説明/総合考察:
(1)cho胡蝶の夢は次のように説明できる。先ず、荘周が夢の中で蝶になる。次に、その蝶がその夢の中で荘周になる。そうなると、現前の荘周は蝶の見る夢としての存在か。荘周は主体を、蝶は客体を表すので、これを空間的に普遍化すれば、この説話から「万物斉同」が導出される。主体及び客体共に自己同一性に沿って時間的に遡源すればbbビッグバンに収束するので、時間的にも「万物斉同」となる。これは脳内宇宙/小宇宙の考え方であり量子脳理論そのものに外ならない。
(2)「胡蝶の夢」でいう夢は経験以前の世界つまりアプリオリを指す。日常文脈において、他者の見る夢を私は見ることはできないにも拘らず、この他者を代表して蝶が登場する。主体と客体の置換から荘子の根本思想である万物斉同が導かれ、その帰結は「現実肯定」つまりwu無為自然となる。平たく言えば相手の身になることを指す。次に夢と実在との関係について述べる。
(3)夢はユングの主題である。夢は深層に眠る記憶が意識野に呼び戻されたものでこの文脈から現実世界の実相は夢の実現態といえる。ユングはこれを自己実現と呼び自動書記はその可視化された事例である。夢と現実が一致しない理由はai2意識が混沌状態にあるためで、ここから人間生存は須らくこの”混沌を巡る調整の物語り”に帰結する。なおcha渾沌は原初の純粋意識でありここの混沌は混乱あるいは障害を意味する。両者は真逆の関係にあるので前後の文脈に注意を要する。
夢は基本的に睡眠中に抱く幻覚であり通常は覚醒時に朦朧と想起されるが程なく忘れ去られる。その実体は抑圧されていた願望つまり将来実現したい理想が”夢のお告げ”として暗示的に現れる。本稿では、現実と夢の関係を実数とimn虚数の関係として対応づけている。さらにいえば人間も自然の産物でありその一部とする論理を貫徹すれば深層意識はmk無記となり、前記のアプリオリも同義である。
(4)荘子・デカルト・ユングの三者は夢において遭遇する。つまり無差別自然/運命自然の世界が開示される。荘子が提示した「胡蝶の夢」の寓話は図csm宇宙との絡みにおいて意味深長である。slp独我論でいう”個性化”はその主体に固有な内的世界/小宇宙を目指す。そしてこれは結果的に大宇宙に相当する。結果的に、これはアドラーの個人心理学における論理展開と符合する。

3.参考資料:
(1) 胡蝶の夢 (Wikipedia)
(2) 荘子 (Wikipedia)
(3) NHK 100分de名著 『荘子』 NHKテレビテキスト 2015年5月 玄侑 宗久 NHK出版
(4) 『赤の書』 C・G・ユング著/ソヌ・シャムダサーニ編 河合 俊雄 監訳 創元社
(5) 『荘子の「蝴蝶之夢」について』  松井 彦衛門が考察する世界の思想
(6) 一生一石:『蝴蝶之夢
(7) 人生朝露−楽天ブログ| 『量子力学と荘子』
(8) YouTube シュレーディンガーの猫 jstsciencechanel 科学技術振興機構