電脳経済学v5> aご案内> a15 要約と結論 (v3)
(当初作成日:2004年07月31日 )(一部修正日:2005年03月18日 )


電脳経済学v3 ロードマップ
図a15 電脳経済学v3 ロードマップ(クリッカブル)

a15-1 自分が変れば世界が変る
輝かしい21世紀が開けると多くの人々が期待していたにもかかわらず世界は依然として混迷状態から抜け出せません。声高に改革の必要性が叫ばれますが誰が何をどう変えるのか閉塞感が払拭される気配はありません。このような時代状況にあって確かなことは自己改革を措いて改革なしという事実であります。自分が変れば世界が変るという簡単な事実に気づくか否かであります。イギリスの劇作家シェークスピアは「ものは考えようである。人生には幸福も不幸もない。考えようでどうにでもなるのだ」といっています。この文脈を踏まえて電脳経済学は意識改革の支援ツールとして用意されました。考え方を少し変える!自分を変える力は自分にしかありません。

a15-2 電脳経済学v3の粗筋
図a15電脳経済学v3ロードマップ
に基づいて電脳経済学v3の粗筋を示します。島のように描かれているa-eからなる各系はそれぞれ独立したフォルダーを表しています。この各系フォルダーは最上欄にあるナビゲーションバーに対応していますので読者はインデックスページを経由して対象のページにすばやくアクセスできます。一方、各系を結ぶ@−Dの囲み番号は思考の経路を示し、これをロードマップと呼びます。次にこのロードマップに沿って簡単な説明を加えます。

a15-3 @の経路:e社会系からc経済系1へ(経済問題からの経路)
@の経路は経済問題経済学の関係を表しています。狙う魚と漁具/漁法の関係と同じように両者は目的論と方法論の関係に対応しています。直面する経済問題に経済学は正面から解決策を提示すべきであります。例えば環境・道路・郵政・年金・医療・介護・教育・税制・防衛などの諸問題は経済問題と直結しています閉鎖系2部門の現行経済モデル体系による対応では限界が感じられます。前後しましたがc経済学1はv2で伝統的な経済学と呼んだ現行経済系を指します。

a15-4 Aの経路:b自然系からd経済系2へ(物理要素からの経路)
熱力学の知見から先ず物質・エネルギー・エントロピー・情報からなる物理要素を抽出し、次に物理要素の働きとして物質循環・エネルギー代謝・エントロピー処理・情報蓄積を確認します。これを熱交換器の原理に適用して変換系として一般化します。さらに生態系における食物連鎖過程に前出の変換系を代入して代謝モデルを導きます。このAを物理要素からの経路と呼びます。

a15-5 Bの経路:c経済系1からd経済系2へ(生産要素からの経路)
土地・労働・資本からなる生産要素のうち土地と労働は根源的生産要素と呼ばれます。なお土地は資源とも呼ばれます。これに対して資本は生産された生産要素とされます。一方、財の挙動に着目すれば資源と労働はフロー財であり資本はストック財であります。資本をシステムと捉えて系と呼べば資源と労働は生産系に対する投入財に相当します。これに対応する産出財として商品と廃物を考えます。消費系および分解系に対してもこの考え方を展開して代謝モデルを得ることができます。内部系と投入産出の関係は熱力学における状態変数と経路変数の関係に対応します。これは内部化/外部化を意味しその詳細は熱力学のまとめに示す通りです。このBを生産要素からの経路と呼びます。

a15-6 Cの逆路:e社会系からd経済系2へ(経済要素からの経路)
人間は自然史のある時期に生命系の一部としてこの世界に現れました。しかし人間は自然に埋没することなく労働を通して自然に働きかけ生産という形で自然から有用性を取り出して生存を確保してきました。この経済社会の進展過程を時系列的に整理すると資源・労働・商品・廃物からなる狭義の経済要素が抽出できます。これは前節で述べた投入産出財/フロー財としての経済要素に符合します。この経済要素を段階的に展開する方法からも代謝モデルに接近できます。この経路は資本の性格変遷などが描出でき示唆に富みます。このCを経済要素からの経路と呼びます。

a15-7 CDの経路:d経済系2からe社会系
代謝モデルとその支援モデル群は経済思想と密接に関連しています。とりわけ経済過程の一般形式における環境財の定式化は展開可能性が期待されます。さらにv3では歴史過程における鍵概念として文脈依存性を強調しています。文脈依存性はまだ未定着の概念ですが、その基本思想は現実肯定にあります。つまり現実の積重ねとしての史実が歴史解釈の出発点となります。この情報蓄積意識の拡大化を通して梵我一如に到達します。これは宗教用語でいう霊的覚醒に相当します。

a15-8 電脳経済学v3の結論
(1)結論1: アダム・スミスに始まる経済学体系市場経済の仕組み(現行経済モデル)としてほぼ完成の域にある。ところが、これは「閉鎖系2部門モデル」なるがゆえに現実の経済現象を適切に説明できない。
(2)結論2:したがって、この現行経済モデルは「開放系3部門モデル」としての代謝モデル(提案経済モデル)に拡張されるべきである。
(3)結論3:なぜなら、現下の各種経済問題は両経済モデルの差異に起因しているからである。
(4)結論4:(2)に示すモデル構築はGIS/DBを基軸とする情報技術革命の文脈から急速に現実化されつつある。
(5)結論5:これに連携して熱力学の展開可能性に関する研究推進が期待される。

−以上-  

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